新国立競技場について
建築系の仕事に就いているので新国立競技場の問題は多少なり思うところがある。テレビやネットでこのネタを見る度腹が立つ。
極端に言うと「外人の変なおばちゃんがぐにょーんとしたデザインにしてめっちゃ高いらしい!ヤバイじゃん!」という今の国内の空気、すごくみっともない。
ただ最近は自分でテレビのタレントが眉毛を下げながら2500億という金額やデザインに言及するという醜態を目の端に捉えないようにしてしまうので、もしかしたら今のメディアの論調はもう少しまともになってるのかもしれない。
「2500億が高い」と誰が判断できるのか。
地震や超過密による条件から建築的には最難といってもいい日本・東京。そのフラッグシップとなるこの建物の建設から産み出される革新的な技術に2500億は払いすぎなのか。
あのデザインだから産まれる社会的意味(-もしかしたら建設業若年層の職人不足と全国的な就職問題にも一石を投じることが出来たかもしれないじゃない)に2500億の価値は無いのか。
いくらなら高くないのか。じゃあその高くない建築はどんな姿をしているのか。この騒動を思い出す。
それはだめでしょう。
一方であのコンペがオリンピック誘致のために利用され、一番クールで派手なザハ案に決まってしまった、そういう意味でこの計画が本当にこの地に適しているのかは疑問が残る。そういう議論なり批判は大いにあり得るとは思う。実際外観パースは格好いいけどあの丁度良い俯瞰で見える場所なんて存在しないだろうし内観は一番ダサい。
でもザハ案、他のデザインよりずっとスタジアム然として真っ当に見えるのは俺だけだろうか。他の案の屋根どうなってんだ。
コックスアーキテクチャー
日本の名だたる建築家がその仕事の比重を海外に移して行く中、現代建築家の中でもラスボス級のザハをここまでコケにしているこの状況がすごく嫌だ。