(((さらうんど)))『See You.Blue』、cero『Orphans/夜去』を聴いた

雪解けにともなって道端に顔をのぞかせるたくさんのうんこに気をつけながら歩くようになり、春の訪れをひしと感じる。

札幌から小樽に引っ越して3週間近くたった。

部屋もそこそこ完成して、コンクリのマンションで前の鉄骨アパートよりもだいぶ暖かい。やや狭くなったけれど作りもしっかりしていて古さをあまり感じないし、概ね良い物件に出会えたと思う。

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無駄に天井が高い。

ただ、風呂と洗面所がレバー上げで吐水、キッチンがレバー下げで吐水なのがボディーブローのようにじわじわストレスになっている。いつまでも慣れるのが不可能な罠だ。

新居は実家から徒歩2分の立地で、ポン酢を買いに最寄りスーパーに走ったら両親と鉢合わせ、レジの真ん前で近況の報告や週末に焼肉に行こう等のミーティングが発生するといった地元地方都市イベントを体験した。

18で家を出てから10年越し、本意か不本意か見事にUターンをキめてしまったが今のところ新鮮に過ごしている。

 

cero『Orphans/夜去』を聴いた

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去年の暮れに出たシングル。

発売前のLIVEで初めて聴いた時は「こりゃまたしっとりめな…」くらいにしか思っていなかったが、音源を買って聞き込むほどに好きになっていくスルメな感じの曲だった。

終盤のミドルテンポながらもめちゃめちゃエモいシャウトでボーカリストとしての高城さんの魅力が光ってる。

そして何といっても歌詞が素晴らしい。女の子と男の子の一晩の家出のお話なんだけれど、特に

(別の世界では)

2人は姉弟だったのかもね

甘いようで甘くない、超えられないものがあったのかしら。と、若さと寂しさエロさまでがこの少ない言葉に感じ取れてしまう。

この曲はこだまさんという方の「夫のちんぽが入らない」というエッセイが原点にあるそうだ。詳しくは下のリンクを。そちらも素晴しかった。

塩で揉む | 掬いあげられて、ここにいる

 

(((さらうんど)))『See You.Blue』を聴いた

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イルリメこと鴨田潤、Traks Boysの二人によるバンド(((さらうんど)))3枚目のアルバム。

流行の打ち込み系のPOPSには若干「もういいな…」と感じ始めているけれど、さらうんどはそんな中でも頭一つ抜けていると思う。どこが違うんだと言われると何も言えないけれど。

まずイルリメというラップの界隈のベテランがわざわざ慣れないギターを抱えてPOPSを歌っているという時点で並々ならぬマッドネスな気合いを感じる。

そして打ち込みなのにうるさくない…というかこの辺は耳が肥えてないのでただの主観でしかないのだけど、マスタリング砂原良徳の仕事がやはり素晴らしいんじゃないかと思う。

丁度このアルバム発売の直前にtofubeatsのリミックス盤についてのまりんのインタビューがあり、玄人目線のコメントの説得力に感心させられた。

砂原:なるほどね。これも部屋が狭くて、日本人っぽいかなと。日本のオタクだから、クラブじゃなくてネットの方が濃いよね。

ベッドルーム感?

砂原:ベッドルームというか、パソコンのスピーカーとヘッドフォンだね。

まりんの世代でも、みんな最初はスピーカーが近くなかった?

砂原:でも極力離そうと頑張ってやってたけどね。いまのひとよりは遠かったと思う。そういう意識はあったから。僕も最初は自分の部屋でやっていたけど、距離はある程度取っていたよ。でも、いまはすごく近いひとが普通にいるからね。それじゃ音がわからないって僕は思うけど。

なるほど。

砂原:最近の音楽の特徴というか、リスナーの50パーセントがヘッドフォンもしくはイヤフォンかパソコンのスピーカーだよね。普通のスピーカーで聴くことが珍しくなっているし、場所もないし、かつ音楽を聴く時間なんてないのかもね。通勤時間を、よく言えば効率的に使った結果、それがこういうふうになったというか

「ベテランだからって何を上から目線で」っていう声もありそうだけど、banvoxのandroidのcm曲を見て「うるせえな」と思っていた自分にはしっくりくる物言いだった。

あとさらうんどのジャケットが毎回かっこいい。この人の絵大好き。

 

Orphans / 夜去

Orphans / 夜去

 

 

See you, Blue

See you, Blue