D.A.N. 『D.A.N.』を聴いた

嫁が自分が作ったおにぎらずについて「みてーおにぎらず作った。かわいくない?」と言っていて、感性の暴走を目の当たりにした。

世の中にはかわいいおにぎらずとかわいくないおにぎらずがあるのだ。かわいくないおにぎらずは恐らくおにぎらずになりきれなかったおにぎらず、すなわちおにぎれずでしかない。

f:id:nauchifufu:20160422210223j:plain子が保育園に通い始めた。絶対にコブラ組になりたい

 

連休は子がオーバー40℃の発熱をメイクしてどこにも行けなかったのだが、ベランダで観葉植物の植え替えや株分けをしたり部屋を少しづつ掃除できたりでかなり満足度は高かった。

ただし一日中家にいると朝に見た「おかあさんといっしょ」並びにその付帯番組を夕方に再び見ることになり、これがなかなか堪える。

おかあさんといっしょはその実、スタジオに集められた子ども達がうたのおにいさん/おねえさんに誘導/煽動され、ひたすらに踊りながら歌を歌い、更にその合間合間に既存の楽曲映像を継ぎ接ぎして放送時間を満たす非常に合理的な構造だ。

子はめまぐるしく展開し続ける極彩色の画面と音に目と耳を奪われて動きを止め、親は一心不乱にスマホをチェックする。「おかあさんといっしょ」とは実際には子が「おかあさんからはなれる」状況をつくりあげる画期的なシステムに他ならない。

そんな目で眺めていると、その次から次へ矢継ぎ早に襲いかかる童話の奔流、1日に2度やってくる童話の波状攻撃に我が子が耐えきれず音楽が嫌いになったらどうしよう、と心配になる。

 

D.A.N. 『D.A.N.』を聴いた

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30歳を超えて、自分よりかなり若い音楽を気に入ることについてどこか気持ちの折り合いがつかないところがある。

御多分に洩れずこのD.A.N.、若くてオシャレな雰囲気がビシバシ出てるSuchmosやYkikibeatあたりと抱き合わせで雑誌で目にしていて「22とか3とかの若いお兄ちゃんがやってるちょっと憂いた感じのバンド…しゃらくせえ」くらいの認識だったのだがどハマりしている。

m1『Zidane』  クールなイメージとは不釣合いな野蛮なベースがすごくクセになる。

油断していると終盤の一瞬のブレイクで耳を引っぱたかれて、唐突なフェイドアウトがまるでiPhoneとイヤフォンで音楽を聴いてたら電話がかかってきた時のような無邪気な緊張感を与えられる。(これ確信的にやってたら天才としか思えない)

全編通して参加しているのかわからないがサポートメンバーの小林うてなさんもめちゃくちゃかっこいい。俺は触ったことはないのだけれどあの「きっとサラッとして硬いけれど微妙に弾力のありそうな」パッドをスティックで叩くやつもスチールパンも大好きなんだ。

 

 

PVがオオクボリュウってところもしっかり好みのツボを突かれてしまった

 m2『Ghana』  トロピカルな雰囲気と2:40のシンガロングがライブで確実に盛り上がる。この曲に限らず全編通じてどこか肌触りは冷たいけれどライブでは絶対に踊れる予感でいっぱい。ライジングサンの夜に気温が下がってきて汗はかくけれどしっとり肌は冷たい、みたいな感じで頼む…お願い…

 

ところでこの音源は札幌に向かう電車内でAppleMusicにあるのを見つけて聴いて「おっ」となってタワレコでこのCDを買い、帰りの電車内でまたAppleMusicを使ってこのアルバムを聴いていたのだけれど、当然自分の消費行為に違和感はあった。しかしなんで「音源を買う」というこれ以上無い程真っ当に音楽を楽しもうとしている俺が変なことをしている感覚を覚えなければならないんだ?ふざけるなよ、という気持ちになった。

何はともあれ「父ちゃんが気持ち良く静かに揺れられる」という意味でこの夏は休日の昼間に息子を抱きながらの子守唄としても大活躍することが決定だ。