stillichimiya『死んだらどうなる』を聴いた

 夫です。

 

ブログを書こうとすると目がつぶれる妖怪に取り憑かれていた。

 

stillichimiya『死んだらどうなる』を聴いた

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左からMMM(トリプルエム)、Young-G、BigBen、Mr.麿、田我流

2004年10月12日、日本一の桃の里である山梨県東八代郡一宮町が、石和町御坂町ら5つの近隣町村と合併し笛吹市となる。 stillichimiya(スティルイチミヤ)は、その理不尽な合併に反対した9人の若者によって起きたムーブメントである。

グループ内ユニットに、Young-GとBig Benによるプロデューサーデュオ<おみゆきCHANNEL>、Mr.麿を中心としたポップスユニット<EXPO>、MMMとMr.麿による映像制作プロダクション<スタジオ石>がある。

stillichimiya | Mary Joy Recordings

大胆にもレーベルのBioから引用してしまいましたが、山梨県に根を張るHIPHOPグループstillichimiya。地域密着感が格好いい。

 

一足先に広くブレイクした田我流が所属する本隊のフルアルバムがついにドロップという期待に加え、上述のMMMとMr.麿による映像ユニット<スタジオ石>発の”各メンバーがドラマのワンシーンを演じ、収録曲のトラックをしれっと匂わす”という趣向のCM映像等、発売までの仕掛けからとても楽しませてもらった。

奇人、Mr.麿

 天性のナードコア、BigBenさん。この夏一番のアンセムと名高いアルバム曲m12『めっちゃええやん』のトラックがすごくいい。

 

アルバム全体を通しては、「死んだらどうなる」という思わせぶりなタイトルのわりには、そんな雰囲気を感じるのはm1"うぇるかむ",m2"Hell Train"くらいで、それ以降はズンドコ節や下ネタ、宇宙、カレー、山梨弁、バブル、土偶…てんでばらばらなテーマの曲が詰め込まれている。

 

全曲通じて割と余裕のあるリリックののせ方でマイクリレーものにしては聞き取りやすいのがすごく好印象。

中でもMMMさんのねばっこいフロウとMr.麿のめちゃくちゃな存在感が個人的にはびんびんにヒットした。

 

特に好きな曲をいくつか。

・m3"出かけよう" 煙めなビートとふざけてるようで美しいリリックが秀逸。

ブッタガヤにて釈迦が悟った菩提樹の下楽な姿勢になりまどろもう

君は真の豊かさを求め少数民族と言語を超えた語らい

・m4"ズンドコ節" とにかくクセになる。

・m5"生でどう" MMMから継いだ田我流のヴァースが曲全体を加速させる感じでめちゃくちゃかっこいい。

・m12"めっちゃええやん" トラックがとにかく格好いい。リリックがとにかくメロウ。聴くTPOによっては涙が出るかもしれない。

(MMM)

いつか昨日の手前を振り切り 無理してギリでも絶対ぶっちぎり

無意味でも笑える方に回り道 ほんで笑ってくれたらおおきに

(田我流)

懐かしむのもいいけど 今のお前に光ってて欲しい

過ぎ去った過去は幻 だから素晴らしい 今が新しい

構わないぜ 構わへんで 少しずつ色褪せるけど

今を歌えれば めっちゃええやん ごっつええやん

 ・スタジオ石

MMMとMr.麿による映像ユニット<スタジオ石>の作品がどれもすごくいい。

今回貼った動画はすべてスタジオ石によるもので、他にもEVISBEATS/田我流の"ゆれる"やNORIKIYOのPV等がある。

彩度を若干抑えたクールな画作りで、シュールさと暖かみが同居するような他にはない世界観が最高。特にMMMはstillichimiyaのデザインも一手に担っていて、器用だ...

ゆるい空気が流れている

 

他にもMr.麿を中心とした新感覚ポップスユニット『EXPO』 や山梨の見所を紹介する"うぇるかむ とぅ やまなし"等、本当に色んなスタイルで活動しているが、彼らのtwitterで一貫してつけられているハッシュタグが『 #わしらただ遊んでるだけや』。

 

アルバムや映像から感じる心地のいい不思議な空気感は、彼らの「ただ遊んでるだけ」感、"三十路の最低のグーニーズ"による最高のバイブスなのかもしれない。

何はともあれ札幌でのLIVEが待ち遠しいです。 

死んだらどうなる

死んだらどうなる